終わらない理事会…その原因はあなたの「会議の捉え方」かも?
あおい全国のマンション管理フロントの皆さま、毎日お疲れ様です!あおいです。休日の貴重な時間を使って開催される理事会。本当なら30分でサクッと終わらせたいのに、気づけば2時間経過……なんて経験、ありませんか?
あります!丁寧に資料を作って当日説明したのに、いきなり「やっぱりこの工事は高いから考え直そう」と振り出しに戻されたり、役員同士で意見が対立して全くまとまらなかったり……。結局、持ち帰り案件が増えて残業が確定するんです。



そのお悩み、痛いほど分かります。私も新人時代は「なんで皆、当日に急に違うことを言い出すの!?」と心の中で泣いていました。でも、実はそれ、理事の皆さんが悪いわけではないんです。最大の原因は、担当者である私たちが「理事会を『自由な意見交換の後に物事を決める場』だと勘違いしていること」にあります。
理事会当日に、イチから説明して意見をまとめようとする「素人フロント」のやり方では、いつまで経っても長時間の会議と残業から抜け出せません。 できるフロント担当者は、会議当日に汗をかくことはありません。彼らが力を入れているのは、ずばり「事前の根回し」です。「根回し禁止」を社内ルールで謳っている有名企業もあったりしますが、マンションの現場は別世界です。
今回は、理事たちの気まぐれな発言や暴走を未然に防ぎ、スムーズな合意形成を実現するための「根回しの極意」をお伝えします。これをマスターすれば、あなたの業務負担は激減し、理事会からも「デキる担当者」として絶大な信頼を得られるようになりますよ!
原因と現状:なぜ当日の議論は脱線し、議案はひっくり返るのか
そもそも、なぜ理事会当日の議論は脱線しやすいのでしょうか。 その理由は、マンションの理事会が「多様な価値観を持つ素人の集まり」だからです。
区分所有法において、マンションの管理は区分所有者全員による集会(総会)で決定され、理事会はその執行機関として位置づけられています。理事の皆さんは、普段は会社員や主婦、リタイアされた方などバックグラウンドが全く異なり、建築や法律の専門知識がない方が大半です。
そんな彼らに、会議の当日にいきなり分厚い見積書や複雑な修繕計画を提示して「さあ、どうしますか?」と迫るのは酷というもの。 人間は、自分が十分に理解できていないことに対しては、防衛本能から「とりあえず保留にしよう」「もっと安い業者があるんじゃないか?」と反対や先延ばしに走る傾向があります。
さらに、理事会の中には必ず「声の大きい人(キーマン)」が存在します。マンションの歴史を長く知る長老的な方や、専門知識を少し持っている方などです。当日の会議の場で彼らが「私は納得いかない!」と鶴の一声を上げれば、他の理事たちも同調してしまい、せっかくの議案がひっくり返ってしまうのです。
理事の皆さんは、決して管理会社を困らせたいわけではありません。「自分のマンションを良くしたい、失敗したくない」と真剣に考えているからこそ、慎重になり、時に感情的な発言になってしまうのです。
マンション管理適正化法では、管理会社に対して管理事務に関する十分な説明が求められます。この「説明」は、当日の会議の場だけで行わなければならないというルールはありません。事前に丁寧な説明(根回し)を行い、不安を解消しておくことこそが、プロとしての正しい業務遂行なのです。
理事会を思い通りに進める「事前の根回し」3つの極意
では、具体的にどのように根回しを行えばよいのでしょうか。私が現場で実践し、劇的な効果を上げている3つの極意をご紹介します。
1. 「キーマン(影響力のある役員)」を特定し、事前に頼る
どの理事会にも、良くも悪くも議論の流れを決定づける「キーマン」がいます。 根回しの第一歩は、その期の理事会が始まる前の総会の時点、もっと言うならば物件担当になった時点でこのキーマンを特定し、理事会の数日前に個別で電話やメールをし、事前に「相談」という形で意見を求めておくことです。



「〇〇理事、次回の理事会で提案予定の防犯カメラ増設の件ですが、長年このマンションにお住まいの〇〇理事から見て、この設置場所の案はどう思われますか?ご意見を伺いたくて……」
このように「あなたを頼りにしている」というスタンスで事前にアプローチされると、誰でも悪い気はしません。キーマンの意見を取り入れた(あるいは事前に論破・説得した)状態で当日を迎えれば、彼らは会議の場で「反対派」ではなく、むしろ議案を後押ししてくれる「最強の推進派」に変わります。
2. 理事長との「シナリオ共有」で会議の主導権を握る
理事長は、理事会の議長を務める最重要人物です。しかし、多くの理事長は「会議の進行方法」に不安を抱えています。
会議の数日前に、必ず理事長と簡単な打ち合わせ(電話でも可)を行いましょう。 「今回の第2号議案は少し揉めるかもしれませんが、もし議論が脱線しそうになったら、私から専門的なデータを出して軌道修正しますね。その後、理事長から『では、A案で採決を取りましょうか』と切り出していただけますか?」
このように、どこで誰が発言し、どう着地させるかの「シナリオ(台本)」を理事長と共有しておくのです。 理事長に「あおいさんがしっかりサポートしてくれるから安心だ」と思わせることで、会議の主導権を完全に握ることができます。
3. データと他社事例で「選ばせる」納得感の演出
理事会で「この見積もりで進めましょう」と1つの案だけを押し付けると、「管理会社に都合の良い業者なんじゃないか?」と疑われ、反発を招きます。
提案を通したい時は、必ず「A案・B案・C案」といった複数の選択肢を用意し、本命の案が最も魅力的に見えるように比較表を作成してください。 その際、「一般的な同規模マンションの相場データ(例:〇〇戸規模なら月額〇万円程度が適正)」や、「他マンションでの成功・失敗事例」という客観的な数値を添えるのがコツです。
「管理会社が決めた」のではなく、「理事会が客観的データに基づいて、自分たちで最適なものを選んだ」という納得感を演出することが、合意形成の最大のカギとなります。
【実体験】電話1本で反対派の長老が「最強の味方」に変わった日
ここで、私が過去に経験したリアルな実体験をお話しします。
ある築25年のマンションで、修繕積立金の大幅な値上げを提案しなければならない重い理事会がありました。そのマンションには、過去の値上げ議案を全て「まだ必要ない!」と白紙に戻してきた、影響力の強い長老理事(70代男性)がいました。
そのまま当日を迎えれば、確実に大炎上して否決されるのは目に見えていました。 そこで私は、理事会の1週間前に、その長老理事のご自宅に直接お電話をしたのです。



〇〇理事、いつもマンションのためにありがとうございます。実は次回の積立金値上げの件で、どうしても事前に〇〇理事のお知恵を拝借したくてお電話しました。私としてはこのプランしかないと思っているのですが、やはり住民の皆さんの反発が大きいでしょうか……?
すると、普段は気難しい長老理事が、30分近くマンションの歴史や住民の懐事情を語りました。私はひたすら傾聴し、「なるほど、〇〇理事のおっしゃる通りですね。では、いきなり〇円上げるのではなく、段階的な値上げ案に修正して当日出してもよろしいでしょうか?」と提案を微修正しました。
そして迎えた理事会当日。 他の理事が「こんな値上げは困る!」と反発し始めた瞬間、なんとあの長老理事が「まあ待て。管理会社のあおいさんとも事前に話したが、このマンションの未来を考えたら、今少しずつでも上げるしかないんだよ」と、他の理事を説得し始めてくれたのです。
結果、議案はスムーズに承認されました。 もし事前に電話をしていなければ、あの長老理事が一番の反対派に回っていたはずで、当日とその後の軌道修正に30分どころではない時間を浪費したはずです。事前の「キーマンへのたった1本の電話(根回し)」が、会議の結末を180度変えた瞬間でした。
まとめ:会議は「決める場」ではなく「確認する場」
「理事会が長引いて辛い」「いつも議案が通らない」と悩んでいるなら、今日から会議への認識を変えてください。
有能なフロントマンにとって、理事会とは「議論して決める場」ではありません。事前の根回しによって形成された合意を、「最終確認して承認のハンコを押すだけの場」なのです。
事前の根回し(個別連絡やシナリオ作り)を「面倒くさい」とサボる担当者は、結局当日の会議で炎上し、その後のリカバリーと議事録の修正に何十倍もの時間を奪われ、一生残業から抜け出せません。
- キーマンを特定し、事前に「相談」して味方につける
- 理事長とシナリオを共有し、会議の進行をコントロールする
- 客観的データを用いて、理事たちに「自ら選ばせる」
管理会社と理事会は、マンションの資産価値を守るための「パートナー」です。彼らの不安を取り除き、スムーズな意思決定ができるように舞台を整えることこそが、フロントマンの真の価値(プロフェッショナル)です。 ぜひ次の理事会から、この「根回しの極意」を実践して、圧倒的な信頼と定時退社を手に入れてください!
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