マンション管理フロントの私は、毎年入れ替わる「やる気ゼロ」の理事会と、逆に「固定化された独裁」理事会の両方を見てきました。多くの組合が採用する輪番制は、不平不満を抑えるための「妥協案」に過ぎません。
今回は、輪番制に隠されたリスクと、フロント担当者が密かに願う「理想の理事選任」について、忖度抜きで語らせてもらいます。
1. 法律上の「義務」と、輪番制が抱える「無責任」の爆弾
区分所有法上、役員の選任方法は規約で定められます。多くのマンションが採用する輪番制ですが、実務の観点から見ると「公平」と引き換えに「質」を捨てている側面が否めません。
- 法的義務の空白:標準管理規約では役員の資格を「区分所有者(または同居家族)」としていますが、スキルの有無は問われません。その結果、大規模修繕工事のような数億円の決議を、昨日まで規約すら読んだことがない人が行うという、極めて危うい状況が生まれます。
- 継続性の欠如:全員入れ替えの輪番制だと、昨年の懸案事項がすべてリセットされます。「管理会社の言いなり」になりやすい最大要因は、この知識の断絶にあるのです。
2. 「オーナーの資産保全」と「フロントの現場管理」の本音
管理組合の視点
輪番制のメリットは「特定の人に負担が偏らない」こと。でも、デメリットは「無関心な人が必ず混じる」ことです。もし、あなたの期の理事が全員「早く終わらせたい」派だったら、その1年で不要な工事契約が結ばれ、積立金が数百万円単位で無駄遣いされるリスクがあります。
管理会社(フロント)の立場
フロントとしては、物分かりの良い輪番理事が一番楽。でも、マンションを良くしたい熱血フロントからすれば、「毎年イチから教え直す労力」は絶望的です。不慣れな理事が迷走すると、結局フロントが裏で筋書きを引くことになり、実質的な「管理会社支配」が完成してしまいます。
3. フロントが見た「資産を守る理事会」へのステップ
順番だから仕方なく座っているだけ。議案書も読まず、審議の場は沈黙。最後は「フロントさんが言うなら……」で決結。これでは管理会社に搾り取られるだけです。
輪番の中でも、1人か2人だけ詳しい人がいて、その人任せ。その人がいなくなると一気に管理レベルが落ち、資産価値の維持が不安定になります。
輪番制をベースにしつつ、「数名の継続役員(立候補)」を混ぜる仕組み。過去の経緯を知る人が1人いるだけで、管理会社の不透明な提案にブレーキがかかり、資産価値が劇的に守られやすくなります。
4. 結論:理事選任への関心は、自分の家への「最高額の投資」
輪番制そのものが悪いわけではありません。問題は、そのシステムに甘んじて「誰がハンドルを握っているか」に無関心になることです。
- 「半数改選」を規約に盛り込み、知識の継続性を確保する
- やる気のある人に「役員報酬」を出すことを検討し、プロ意識を促す
このバランスこそが、フロントを適度に緊張させ、あなたの数千万円の資産を守り抜く唯一の道なのですよ。
「うちの輪番制、このままで大丈夫?」「立候補を募っても誰も来ない時の秘策は?」 そんな悩み、私にぶつけてください。現場をよく知るフロントとして、あなたのマンションに最適な「最強の布陣」の作り方を教えます。


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